嘘つきなあなたからの恋文。
「ちょっと小池さん泣きすぎじゃない?」
「そりゃ泣くよ」
今日で中学校生活最後だよ!手の動きまで加えてそう訴えるとコタくんは引いた目をしてこちらを見ていた。
なにその視線。
なにこの温度差。
「ハンカチもビショビショだ。
もう溢れる涙吸収できてないよ」
「式が始まる前からずっと泣いてるからね」
そりゃハンカチももう拭える力ないはずだ。
この制服も最後だしこれでいいや。
今度は制服の袖を使って涙を拭う。
「小池さんは泣き虫だなぁ」
そう言って笑う、コタくん。
「反対に泣かないコタくんが私からしたら変だよ」
もう式も終わって、最後のHRも終えた所。
後は教室を出て、校舎を出たら中学校生活終了だ。
そう、最後だ。
コタくんの隣を座って授業を受けるのも今日で最後。
そう考えるだけで涙が止まらない。