嘘つきなあなたからの恋文。
「もう一回…もう一回言って?」
コタくんの方に身体ごと向け、真っ直ぐコタくんを見つめながら懇願する。
「え?」
「聞きたい」
きっと中学最後のお願いを少し声を震わせ口にした。
私の願いをコタくんも私に体ごと向いて真っ直ぐな目をして真剣な表情で口にした。
「『小池さんにしか書いてもらう気ないよ』
小池さんは特別、特別な女の子だよ」
とっても素敵なおまけをつけて。
「…コタくん」
「なに?」
「私、この1年コタくんの隣に入れて良かった。
すごい幸せだった。
ありがとう…ありがとう」
まだみんなが残っている教室なんて考えもなしに声を出して泣いた。
そんな大泣きする私をコタくんは泣き止むまでずっと優しく頭を撫でてくれた。
コタくんがまた優しくしてくれるから私はまた涙が止まらない。
「本当、泣き虫だ」
そう言って、コタくんは自分のポケットからハンカチを取り出して私の頬に流れる涙を拭いてくれた。
「また優しくする…涙止まらないよ?」
「僕が拭くから泣いていいよ」
またコタくんが優しい言葉を言うから
泣き虫な私は笑ってハンカチで拭いてくれるコタくんがまた見えなくなるまで涙が流れ、
そんな私をみてコタくんは声を出して笑った。