嘘つきなあなたからの恋文。
「小池さん…落ち着いた?」
「…うん。ごめんね、大泣きしちゃって。
コタくんのハンカチもビショビショにしちゃった」
「別にいいよ、僕使わなかったから反対に使ってくれてありがとう」
「じゃあ、どういたしましてかな?」
「うん」
彼の微笑みに笑って応えた後、気づいたら教室には私たち2人だけだった。
「みんな帰っちゃったの!?」
「とっくの前に帰っちゃったよ?」
「嘘!」
「小池さんが大泣きするからみんな引いて帰ったよ」
「え」
「ま、嘘だけどね」
「……」
嘘か本当か分からない冗談を言わないでもらいたい。
「僕らも帰る?」
「うん…あ、アルバム」
「本当だ、書こうか」
静かな教室でコタくんのアルバムにメッセージを書いた。
【コタくんの隣の席で良かった。
とっても幸せな時間をありがとう。
これからもよろしくね!
3年3組 小池花梨】
こんなものかな…?
本当は気持ちを書こうと思ったけどやめた。
一生残るものだし、他の人に見られたら恥ずかしいしね。
「書けた?」
「書けたよ」
「じゃあ、はい。
読むのはお互い家で読もう」
「うん」