嘘つきなあなたからの恋文。
その後、濡れててごめんねと言ってビショビショになったコタくんのハンカチで彼の頬に流れる涙を拭いた。
コタくんはまたありがとうと言うと、小さな声で帰ろっかと呟いた。
私とコタくんは他の生徒が残っていない校舎を手を繋いで歩いた。
何故かその時は全く恥じらいなんてなく、
反対に掌にコタくんの体温が伝わってきて安心したのを覚えている。
門を出ると繋いでいた手を自然とお互い離し、手を振って別れた。