私の師匠は沖田総司です【下】
龍馬さん、貴方のお役に立ちたいです
下の方でガラッと戸が開く音がした。
私は布団から飛び出ると白い寝間着の上から上着を羽織る。
そして部屋から出ると階段を下りて玄関へと向かった。
「龍馬さん、お帰りなさ……、うみゅ~~~!」
玄関まで仕事から帰ってきた龍馬さんををお出迎えしたのですが、喜ばれるどころか逆に片方の頬を摘ままれて引っ張られてしまう。
「ただいま、蒼蝶。あんま部屋から出るなって、俺言わなかったっけ?」
「おへんなひゃい~。へも、おへむはえひひゃかったんれす~~」
頬をびよーんと引っ張られているせいで言葉がおかしくなってしまいます。
でも、熱意は伝わったのか龍馬さんは頬から手を離してくれました。
その表情はどこかやれやれと言っているようです。
摘ままれて赤くなった頬を撫でながらシュンと落ち込んでいると、身体がフワリと浮き上がった。
「とりあえず部屋に強制連行だな」
龍馬さんにお姫様抱っこをされて、言葉通り部屋に強制連行されてしまいました。