私の師匠は沖田総司です【下】

『大丈夫だよ。鼻をちょっとすりむいただけだから』

「うっ……う……。痛い……」

『ひとまず稽古はやめて絆創膏を貼ろうか。僕が貼ってあげるね』

「うん……。ありがとう、師匠」

師匠……?

『行こう』

「はい」

小さい私は差し出された手をギュッと握る。

普通の人よりも冷たいけど安心する手……。

私は、この人を知っている。

でも、わからない……。

この人は誰なんだろう……?
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