私の師匠は沖田総司です【下】


目が覚めたとき、太陽が傾いていて夕方になっていた。

「あ、あれっ!?私……」

「……ん?ああ、……起きたのか」

龍馬さんも眠っていたのか、小さく欠伸をして、腕をあげて身体を伸ばしている。

「なぁ」

「はい」

「ずいぶん幸せそうな顔で寝てたけど、いい夢でも見てたのか?」

「……寝顔、見たんですか?」

龍馬さんは返事をしなかったけど、ニヤッと笑った。

寝顔見られた……。

寝顔を見られたことにちょっと恥ずかしさを感じながら、考えてみる。

「夢は……みてた気がします。でも、覚えてないです」

いくら思い出そうとしても、思い出せない。

でも……微かに胸がドキドキしている。

不思議な気分です。
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