私の師匠は沖田総司です【下】
龍馬さんが私の名前を呼んで、小さく手をひらひらしたら手を繋ごうの意味です。
龍馬さんは口に出して言うのが恥ずかしいらしく、仕草とかで意思表示をすることが多いです。
「……なに?」
「いいえっ」
手を繋ぐと、龍馬さんは照れて少し顔を赤らめるのです。その顔がすごく可愛くて、私はニヤニヤしてしまいます。
「イタッ!も~、何するんですか」
龍馬さんに額を軽く小突かれる。どうやらニヤニヤをやめない私へのお仕置きのようです。
なぜわかるかと言ったら、龍馬さんがしてやったりの顔をしているからです。
「行くぞ」
手を引かれ、とまっていた足を動かす。
そしてもうすぐ寺田屋に着くという頃、前から見たことのある3人組がやってきました。