私の師匠は沖田総司です【下】
「龍馬」
「やっとみつけた」
「おまえらどうした」
3人組の正体はヅラさん、稔麿さん、高杉さんでした。
「夜叉姫との逢引きの邪魔をして悪かったな」
「あ……」
しっかりと繋がれた手を見て、茶化すような笑みを浮かべる高杉さん。
龍馬さんは急いで手を離しました。
さすがに知り合いの前で手を繋ぐのは恥ずかしいみたいです。
「夜叉姫にうつつを抜かすのは構わねえが、ほどほどにしろよ。じゃねえと足元すくわれるぞ」
「わかってる。で、俺に何の用?」
「まぁまぁ、それは長州藩邸で話す。お嬢さん、龍馬をしばらく借りるぜ。そんなに遅くならねえようにするからよ」
「はい、わかりました。龍馬さん、私、先に寺田屋に戻ってますね」