私の師匠は沖田総司です【下】
「すまねえな、一緒にいてやれなくて」
龍馬さんが申し訳なさそうな顔をして謝りました。
確かに一緒にいられないのは少し寂しい気持ちもある。
でも、龍馬さんには龍馬さんの付き合いがある。それを邪魔してまで一緒にいたいとは思わない。
だから、私は龍馬さんが少しでも安心して行けるように、笑顔で見送ります。
「気にしないでください。気を付けて帰ってきてくださいね」
「ああ」
「さぁ、行こうぜ龍馬。いや~、おまえ可愛い恋人に笑顔で見送られて幸せだな。いつお嬢さんと結婚すんだ?」
「ばっ、ヅラ!」
「式には呼んでよ」
「俺も呼べ。三味線で一曲弾いてやる。酒も用意しとけよ」
「……はいはい、言っとけ」
ヅラさんたちの会話はよく聞こえませんでしたが、仲が良さそうで何よりです。