私の師匠は沖田総司です【下】

桜木さんは小さく溜息をつくと、私の近くに腰を下ろしました。

そして何があったのか話し始めました。

「稔麿たちが長州藩邸に帰ってきて、会議が行われたんだけど、会議が終わったら今度は桂が親睦を深める為に酒を飲もう!とか言い出したの。

飲み会は少しで終わる予定だったんだけど、そこに岡田が登場してね。岡田まで一緒に呑み始めたら、飲み会がさらにヒートアップして、ついていけなくなったから避難しにきたの」

「そうだったんだ」

「あと、坂本から貴方への伝言も頼まれたの。遅くなりそうだから先に寝てていいって」

「わかった。伝言ありがとうね」

「別にいいわよ」

会話が途切れ、私たちはそれぞれのことをして部屋で過ごしました。

桜木さんは夜風に当たりながら窓の外を眺め、私は繕い物をする。

そして、全ての繕い物が終わると、そのときを待っていたかのように桜木さんが話し掛けてきました。
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