私の師匠は沖田総司です【下】
「アナタ、坂本のこと好きなの?」
「ふぇっ!」
あまりにも直球な問いに、思わず奇声を発してしまう。
そして同時に顔がカァ~と熱くなっていきます。
恥ずかしくなった私は龍馬さんの着物で顔を隠しました。
「……わかりやすい反応ね」
「ふぇぇ~……」
「アナタ、すっかり恋する乙女の顔よ」
桜木さんがクスクスと笑う声がする。
ちょっとだけ顔を出して彼女をみれば、大人っぽい余裕さを感じさせる笑みを浮かべています。
むむむ……、悔しい。
「だったら、桜木さんはどうなの!?」
「私?」
「そう!私ばっかりずるい!桜木さんの恋バナを聞かせて!」
「残念ながら話すことは何もないわ」
「むぅ~……」
何も話さない桜木さんに負けたくなくて、必死に頭を働かせる。
すると、神が舞い降りたかのようにピーンと閃きました。