私の師匠は沖田総司です【下】
「稔麿さんのことはどう思ってるの?」
「な、何で稔麿の名前が出てくるのよ!」
おおっ!明らかな動揺!
これは見過ごせません!
「前々から桜木さんと稔麿さんは仲がいいなって思ってたけど、やっぱりそうなんだ!」
「だ、誰が稔麿なんか!そもそも喧嘩してばっかりだし!」
「喧嘩するほどって言うじゃん。へぇ~、そっか桜木さんは稔麿さんのこと~」
ムフフ、ニヤニヤがとまりませんね。
桜木さんはしばらく私を真っ赤な顔で睨んでいましたが、何を言っても無駄だと悟ったのか、ぷいっと顔を逸らしてしまう。
普段は綺麗で大人っぽい雰囲気の桜木さんですが、今は私と同じ恋する乙女の顔です。
可愛くて胸がキュンキュンしてしまいます。
「今の桜木さんは小鳩ちゃんって感じだな~。あのさ、これから小鳩ちゃんって呼んでいい?」
「小鳩ちゃん……?小鳩ちゃんなんて、どう考えても私のキャラじゃないわよ」
そうかな?
可愛いと思うけど。