私の師匠は沖田総司です【下】

「稔麿さんのことはどう思ってるの?」

「な、何で稔麿の名前が出てくるのよ!」

おおっ!明らかな動揺!

これは見過ごせません!

「前々から桜木さんと稔麿さんは仲がいいなって思ってたけど、やっぱりそうなんだ!」

「だ、誰が稔麿なんか!そもそも喧嘩してばっかりだし!」

「喧嘩するほどって言うじゃん。へぇ~、そっか桜木さんは稔麿さんのこと~」

ムフフ、ニヤニヤがとまりませんね。

桜木さんはしばらく私を真っ赤な顔で睨んでいましたが、何を言っても無駄だと悟ったのか、ぷいっと顔を逸らしてしまう。

普段は綺麗で大人っぽい雰囲気の桜木さんですが、今は私と同じ恋する乙女の顔です。

可愛くて胸がキュンキュンしてしまいます。

「今の桜木さんは小鳩ちゃんって感じだな~。あのさ、これから小鳩ちゃんって呼んでいい?」

「小鳩ちゃん……?小鳩ちゃんなんて、どう考えても私のキャラじゃないわよ」

そうかな?

可愛いと思うけど。
< 150 / 267 >

この作品をシェア

pagetop