私の師匠は沖田総司です【下】
「小鳩ちゃんがいやなら小鳩はどう?」
「天宮さん……、どこまで私を名前で呼びたいの……」
「いや~、同じ恋する乙女としてもっと仲良くなりたいなって思って。それに、同じ時代からタイムスリップした者同士でもあるからさ」
共通の部分があるからこそ、私は彼女と仲良くなりたいと思っていた。
懇願するように手を合わせて「お願い!」というと、桜木さんが諦めたように溜息をつきました。
「本当はアナタと慣れ合うつもりはないけど……。まぁ、いいわ。好きに呼びなさい」
「ありがとう、小鳩!私のことも蒼蝶でいいからね」
「蒼蝶……」
「うんうん、そう!これからもそう呼んでね」
初めて私の名前を呼んだ小鳩はどこか気恥ずかしそうにみえた。
私も彼女の名前を呼ぶと、くすぐったい感じがする。
それはただお互いに慣れていないだけ。
これから名前を呼んで、呼んでもらって、慣れていけばいい。