私の師匠は沖田総司です【下】
岡田さんは微かに身動ぎをしたのですが、起きる気配はありません。
「はぁ……、世話の焼ける。……よっと」
揺すっても起きない岡田さんを、龍馬さんは軽々と抱え上げ、あっという間に布団の上に移動させてしまいました。
「疲れた……」
「お疲れ様です。お水、持ってきましょうか?」
「ああ、頼む」
部屋を出て、宿の人に頼み、お水を一杯貰って部屋へ戻る。
くたびれたように座っている龍馬さんにお水を渡すと、私はその傍らに腰を下ろしました。
「龍馬さんはあまり酔ってないみたいですね」
「これでもそれなりに酔ってるよ」
「そうなんですか?見た目、あまり変わってないないので、酔ってないのかと思ってました」
水を飲む龍馬さんの横顔をジッーと見る。
う~ん、言われてみれば確かに顔が赤い気がしますね。
でも、微かに顔が赤いだけでほとんどわかりません。