私の師匠は沖田総司です【下】
「そんな固くなるなよ」
「だ、だって……」
「好きだよ、蒼蝶」
耳元で囁かれる龍馬さんの艶っぽい掠れた声。
身体の上に掛かる龍馬さんの重みが下にずれると、首筋を軽く噛まれる。
微かに歯を立てられたと思ったら、今度は優しく舐められた。
「っぁ……、龍馬さん、ダメ……」
「どうして?いや?」
「いや、じゃないけど……、岡田さんがいるし……」
目を開けて隣で眠っている岡田さんを見る。
もし、途中で岡田さんが目が覚めてしまったら、何て言い訳すればいいことか。
龍馬さんは身体を離すと、岡田さんを見た。
そして私に視線を戻すと、見下ろしながらニヤッと笑う。
「だったら他の部屋でならいいわけ?」
「えっ、えぇと……」
他の部屋でならと言われると、言葉に困ってしまう。
でも、私は龍馬さんに触られるのはいやじゃない。むしろ触ってもらえて嬉しいと思う。
嬉しい……のだけど、心の準備が……。