私の師匠は沖田総司です【下】
「それで、総司。天宮を見たって本当なのか?」
山崎君の素早い行動のおかげですぐに土方さんと近藤さん、そしていつもの面々が広間に集まった。
僕はコクリと頷く。
「町で天宮さんを見たんです。でも……天宮さんは記憶を失っていました」
「記憶を?」
「はい。僕の名前を言っても他人を見るような目で、まるで別人のようでした。そして、どうやら今は坂本のところにいるようです」
「坂本か……。そういや、天宮のやつ坂本とは友達だって言ってたな」
「友達、そうでしたね」
本当に、坂本と天宮さんは友達という関係なんだろうか。
さっき僕の目から見た二人は友達以上の関係に見えた。
そう……まるで恋人同士。
互いに心が通じ合っているようだった。
「記憶を失ったのは俺たちのせいだな」
「はい、間違いないと思います。僕たちが天宮さんを追い詰めたから、天宮さんは記憶を失った」
そして、彼女の命も奪いかけた。
僕たちは何てことをしたんだろう。
だからこそ、僕は思うんだ。
「皆さん、僕は天宮さんに罪滅ぼしをしたいです。今度こそ彼女を守ってあげたい。だから、協力してくれませんか」