私の師匠は沖田総司です【下】
「へぇ……、僕の三段突きを防いだのは君で二人目だよ。すごいな……」
「そりゃどーも」
余裕そうに振る舞うが、正直、かなり危なかった。
ギリギリ剣筋が見えたからよかったが、三段突きってそうとう危険な技だな。
またされたら今度は同じように避けきれるかどうか……。
やっぱり蒼蝶の師匠になるだけあって組長さんは強いんだな。
それからしばらく攻防を続け、互いの息が乱れてくる頃。
組長さんが口元に笑みを浮かべた。
「あのさ、坂本。僕にばっかり意識向けてていいの?」
「きゃあ!龍馬さっ……」
蒼蝶の悲鳴が聞こえて振り返ると、気絶した蒼蝶を抱える新選組の男が立っている。
「蒼蝶……!」
助けようと振り返った瞬間、首の後ろに強い衝撃が走った。
身体が石になったかのように動かなくなり、地面に倒れる。
意識が……。
切り離されそうになる意識を必死に繋ぎとめながら、蒼蝶に手を伸ばす。
でも、その手は鉛のように重く地面に落ちた。
「土方さん、坂本はどうします?」
「天宮の命を助けてくれたんだ。今回は見逃す」
「そうですね」
遠くなる気配と足音。
動かない身体を恨みながらも意識は徐々に遠くなり、俺は完全に意識を失った。
「そりゃどーも」
余裕そうに振る舞うが、正直、かなり危なかった。
ギリギリ剣筋が見えたからよかったが、三段突きってそうとう危険な技だな。
またされたら今度は同じように避けきれるかどうか……。
やっぱり蒼蝶の師匠になるだけあって組長さんは強いんだな。
それからしばらく攻防を続け、互いの息が乱れてくる頃。
組長さんが口元に笑みを浮かべた。
「あのさ、坂本。僕にばっかり意識向けてていいの?」
「きゃあ!龍馬さっ……」
蒼蝶の悲鳴が聞こえて振り返ると、気絶した蒼蝶を抱える新選組の男が立っている。
「蒼蝶……!」
助けようと振り返った瞬間、首の後ろに強い衝撃が走った。
身体が石になったかのように動かなくなり、地面に倒れる。
意識が……。
切り離されそうになる意識を必死に繋ぎとめながら、蒼蝶に手を伸ばす。
でも、その手は鉛のように重く地面に落ちた。
「土方さん、坂本はどうします?」
「天宮の命を助けてくれたんだ。今回は見逃す」
「そうですね」
遠くなる気配と足音。
動かない身体を恨みながらも意識は徐々に遠くなり、俺は完全に意識を失った。