私の師匠は沖田総司です【下】
「でも、これが僕たちが招いた結果なんです。受け止めるしかないでしょう」
「何でおまえはそんな平気そうなんだ」
「平気なわけないじゃないですか。でも、僕は信じているんです。天宮さんは絶対に記憶を取り戻すって」
いくら辛くても、僕は天宮さんの記憶を取り戻すことを諦めるつもりはない。
だって諦めても後悔するのが目に見えているから。
だったら辛くても突き進む方がいいに決まっている。
何度突き放すような言葉を言われたって、僕は天宮さんを諦めるつもりはなかった。
土方さんと別れ、僕は再び部屋で刀の手入れをする。
そして、太陽が大きく傾く頃、夕餉の時間になった。
夕餉のあと僕は彼女の部屋を訪れた。
部屋に入って見えたのは布団に深く潜り込む天宮さんと、大分前に運ばれたはずなのに全く手を付けられていないお粥だ。