私の師匠は沖田総司です【下】
「食べないの?」
「……」
「ここに来てから何も食べてないでしょ?お腹空いてるはずだよ」
「……」
いくら話しかけても天宮さんは一言も発さず、僕に背を向けたまま身動ぎ一つしない。
「食べないと身体もたないよ」
「うるさい。ほっといて」
突き放す言葉に胸を痛ませながらも、僕はお粥が入った茶碗をもつと、回り込み、天宮さんの口元にお粥を持ってきた。
天宮さんは眉を顰め寝返りをうってしまう。
僕は再び回り込んで彼女の口元に匙を持って行く。
「食べて」
「しつこい」
「しつこさは天宮さんに負けるよ」
「知ったような口を……」
「知ってるんだよ。天宮さんのしつこさ。僕が一番よく知ってる」