私の師匠は沖田総司です【下】
……全部、思い出した。
私がこの時代に来た理由も。
師匠との約束も。
「私は大丈夫ですよ……組長」
「記憶が、戻ったの?」
「はい……、全部思い出しました」
そう言うと、組長はクッと顔を歪め、私を強く抱きしめた。
「天宮さん、ごめんなさい……!あの時、信じてあげなくてごめんなさい」
私に何度も謝る組長の声は掠れていた。
そんな組長の震える背中をあやすように撫でる。
「私の方こそ、ひどいことを言ったり、刀を向けたりしてごめんなさい」
組長が「気にしないで」と言うように、首を横に振った。
「おかえり、天宮さん」
「ただいま、組長」
私は組長が落ち着くまでずっと背中をさすり続けた。