私の師匠は沖田総司です【下】
「送ってくれてありがとうございます。とても助かりました」
お礼を言うと、泣いて腫れぼったい瞼に、龍馬さんの指が撫でるように触れる。
「生まれて初めて……」
私の顔をに触れながら龍馬さんが呟くように言った。
「生まれて初めて、こんなに誰かを好きになった。おまえと過ごす時間が楽しくて、俺の弱い部分を受け入れてくれたのが嬉しくて、傍にいると落ち着いて……ずっと一緒にいたいって思ったのはおまえが初めてだ」
「ごめんなさい……」
「謝るな。おまえは悪くない」
「でも……、私は龍馬さんの気持ちに応えられなくて……。それで……っん」
言葉を紡ごうとする口は口づけで塞がれる。
「ちゅうし過ぎですよ……」
「謝るおまえの口を黙らせんのは、これが一番いいからな」
「もう……」
お互いに顔を見合わせ、クスクスと笑ってしまう。