私の師匠は沖田総司です【下】
師匠、最終章です
ピピッ、ピピッ。
目覚ましが鳴ると、モゾモゾと動きながらベットから手を伸ばし、目覚ましをとめる。
そして、ジャージに着替え、顔を洗い、竹刀とラジオを持って庭に出た。
「師匠、おはようございます」
庭の桜の木にあいさつをする。
でも、桜の木からあいさつが返ってくることはなく、青葉がサワサワと揺れる音だけが聞こえた。
幕末の時代にタイムスリップしてから1年が過ぎた。
あの日以来、師匠の姿を見ることはない。