私の師匠は沖田総司です【下】
「ウチなぁ、蒼蝶さんが大っ嫌いやったんよ。皆から慕われて、幸せそうなアンタを見るたびに苦しめたくて苦しめたくて仕方なかった」
艶子さんは近くにいた隊士から脇差を受け取ると、鞘から抜き刃を私の首筋に当てた。
皮膚が切れるか切れないか、絶妙な力加減で刃を当てられる。
「死人に口なしって言葉知ってる?ほんまその通りやと思わへん?間者のことも知られたからな、このまま解放したら誰かにしゃべるかもしれへんやろ」
皮膚に喰い込む刃の感触に身体が強張る。
……殺される。
死の恐怖は知ってる。でも、ここまで一方的に感じた恐怖は初めてだった。
身も凍るような恐怖で肌が粟立つ。
死を覚悟したが、あっさりと刃は離れた。
「そないな怯えた顔せんでもええよ。蒼蝶さんを黙らせるにはもっといい方法があるからな」
「何を、するつもりですか?」
「まだ教えへん。でも、すぐに分かるで。そして、アンタはウチに逆らえなくなる」
艶子さんが手で合図をすると身体が自由になる。
強く掴まれていた部分に鈍い痛みがあるけど、それ以上に艶子さんが何をするのかが気がかりだった。
艶子さんは近くにいた隊士から脇差を受け取ると、鞘から抜き刃を私の首筋に当てた。
皮膚が切れるか切れないか、絶妙な力加減で刃を当てられる。
「死人に口なしって言葉知ってる?ほんまその通りやと思わへん?間者のことも知られたからな、このまま解放したら誰かにしゃべるかもしれへんやろ」
皮膚に喰い込む刃の感触に身体が強張る。
……殺される。
死の恐怖は知ってる。でも、ここまで一方的に感じた恐怖は初めてだった。
身も凍るような恐怖で肌が粟立つ。
死を覚悟したが、あっさりと刃は離れた。
「そないな怯えた顔せんでもええよ。蒼蝶さんを黙らせるにはもっといい方法があるからな」
「何を、するつもりですか?」
「まだ教えへん。でも、すぐに分かるで。そして、アンタはウチに逆らえなくなる」
艶子さんが手で合図をすると身体が自由になる。
強く掴まれていた部分に鈍い痛みがあるけど、それ以上に艶子さんが何をするのかが気がかりだった。