私の師匠は沖田総司です【下】

朝食の前に幹部と隊士全員が広間に集められた。

こんな朝早くに会議が行われるのは珍しく、広間全体に落ち着かない雰囲気が充満している。

「こんな朝早くになんなの」

私の前に座っている組長が一つ小さな欠伸をしました。

ぐっすりと寝ている所を山崎さんに叩き起こされたらしく、少し不機嫌な顔をしています。

もう一度、組長が欠伸をすると広間の戸がガラッと開き、近藤さんと土方さんが入ってきました。

すると、さっきまで少し騒々しかった室内が静かになりました。

近藤さんと土方さんはどこか険しい表情でそれぞれの定位置に座る。

いつも近藤さんを挟むように土方さんの反対側に山南さんが座るのですが、その姿は見えません。

山南さんは自宅から屯所に通っているので、まだ来ていないのでしょうか。

近藤さんが一つ咳払いすると、低い声で話し始めました。

「皆、朝早くにすまなかったな。実は一刻も早く君たちに知らせることがあったんだ」

ここまでいうと、近藤さんはこれ以上の苦痛の表情がないほど顔を歪めた。

「昨夜……、山南君が何者かに襲われた」

近藤さんの一言に、土方さんを除く広間にいた全員が驚きを隠せないようだった。

戸惑いや驚きでざわめく隊士たちを土方さんが一喝し、再び広間は静かになる。
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