私の師匠は沖田総司です【下】
「では、食器を片付けてきますね」
「うん……」
グロッキー組長を部屋に残して、勝手場に向かう。
すると
「蒼蝶さん、まだ洗い物あったん?」
食器を洗う艶子さんの姿がありました。
こちらの艶子さんは以前、組長とお出かけしたときに立ち寄った甘味屋で働いていた、あの艶子さんです。
艶子さんは先日から女中として新選組で働いています。
なぜかというと、私が島原で裏方として働いている間、女中関係の仕事が全く機能しなく、屯所が酷い状態になったのが原因らしいです。
それで近藤さんたちが話し合って、女中を一人採用することにしたそうです。
艶子さんが来てくださったおかげで、私の女中の仕事が減ってだいぶ楽になりました。
「すみません、こちらもお願いできますか?」
「ええで、そこに置いといてな」
「はい。この皿、棚になおしておきますね」
「ありがとな」
「いいえ」
布巾を手に取り、皿の表面に残る水気を拭きとっていく。そして、全ての皿を棚にしまうと組長がヒョコッと顔を出しました。
「天宮さん、終わった?」
「はい、終わりました」
「じゃあ、初詣に行こう」
「あら、沖田はんたち初詣に行くん?」