私の師匠は沖田総司です【下】

お互いに気まずい空気が流れるなか、多くの人が歩く道を歩く。

そして、目的地である神社に到着したのですが、境内の中も人で埋め尽くされていました。

見渡す限りの人、人、人ですね。

まるで人気の福袋があるデパートの中のようです。

「天宮さん、本当に手を繋がなくていいの?迷子にならない?」

「大丈夫です!蜂のような俊敏な動きで、この中を移動してみせますよ!」

「……ふ~ん、分かった。とにかく、僕についてきてよ。はぐれないでね」

組長が先頭を歩き、人で溢れかえる境内に入りました。

そして

「組長~、どこですか~~」

ものの1分ではぐれました。

あんなに意気込んでいたのに1分ではぐれるなんて、情けないにも程がありますよ。

絶対、後で組長に怒られる。

あぁ、恐ろしい……。

「組長~~~」

人ごみから、少し離れた場所から組長を探しますが、いっこうに見つからない。

一人になって急に心細くなり、声も弱々しくなります。

それでも、迷子の子猫のように組長を呼んでいると、肩を叩かれました。

組長かと思って後ろを振り替えると

「龍馬さん、岡田さん!」

土佐の攘夷志士の二人がいました。

なぜか、岡田さんは女性の格好をしていますが。

……やはり岡田さんは女性の格好をしていも、違和感ないですね。
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