私の師匠は沖田総司です【下】

「久しぶりだな。元気にしてたか?」

「はい。龍馬さんこそ、どうでしたか?腕の傷は大丈夫ですか?」

「ああ、もう何ともねえよ」

「そうですか。よかったです」

屯所に戻ってからも、龍馬さんの腕の具合が心配でした。

でも、元気そうですね。安心しました。

「蒼蝶ちゃんも初詣に来たん?」

「はい」

「じゃあ男の人と二人で来たんやね!」

「ええ……はい、そうですけど」

なぜ岡田さんは私が組長と二人で来たのが分かったのでしょうか。

気になりますが、それよりも岡田さんが乙女のようにキャーキャーと興奮気味なのが気がかりです。

まるで恋バナをしている女子高校生みたいですね。

「それがどうかしたんですか?」

「実はな……」

と岡田さんが理由を話そうとした瞬間

「天宮さん、見~つけた……」

怒気を含んだ組長の声がして、そのまま私の顔にアイアンクローが炸裂!!

「イタタタタタ!!!」

あまりの痛みに悲鳴をあげていると、私の顔を掴む指の間から素敵でドス黒い笑顔をした組長が見えました。
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