ポーカーフェイス
30分ほどして、真離は元いた場所へと送り届けられた。

佐武「到着いたしました、秘女乃様。」
そう言って佐武は車のドアを開けた。

真離「ありがとう。」

そう一言佐武に告げて、真離は自分の住む家賃8万円の新築のマンションに歩いて帰っていった。

帰り道、真離はどうしようかを考えていた。
城之内から奪い返した紙に書かれている電話番号に帰り際に電話をかける。

プルルル…

プルルル…

「もしもし。」

真離「もしもし。ニコニコ食品の幹部の方でまちがいないですか?お手紙いただきました、城之内ですが、別の案件で彼はお忙しいらしいので、今回私、秘女乃が城之内にかわってお手紙のご相談の件、解決させていただきます。詳しいお話をお聞きしたいのですが、日程はいつになさいますか?」

「…城之内さんではないのですね。」

真離「何か問題がございますか?」

「いえ、何も問題はありません。では明日の昼14時くらいに本社前まで来ていただいてもいいですか?」

真離「わかりました。」

そう言って真離は電話をきった。
真離の頭に先程の台詞の一部が引っ掛かる。

…城之内さんじゃないんですね?

どうして城之内じゃなきゃいけないのだろうかと、真離は疑問に思っていたが、そんなことは自分も同じことが出来るから問題はないだろうと考え翌日の待ち合わせの日を迎えた。
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