溺れて、染まった1日に



-奏side-


まるで恋人同士の様な距離で話す2人。

ふにゃふにゃと緩む彼女の口元。


「はぁ……」


柔らかな薄茶色のゆるやかなウェーブがかった絹の様な髪を揺らすお姫様みたいな女の子。

ここまで天然と言うか、こんなに綺麗な心の女は初めて見た。

一つ一つのパーツが細く小さい。

そのくせお人形のような顔に、女らしい豊満なカラダつきは欲をそそる。


「……食われる前に食っちまいてえ」

「…………通報するわよ」


俺をすっと見据える彼女は、紗彩の親友の美月。

艶やかな黒髪がチャームポイントで、美人という部類ではダントツトップな女だ。


「なに、ただシュークリーム食べてぇなって意味なんだけど」

「そうは聞こえなかったわ」

「なぁに〜、お嬢さん抱かれたいの〜?」

「この班、5人班で良かったわね」


………こいつ、強者だな。


「……なんでだよ」

「これ以上女は増やせないし、これ以上男が増えたら紗彩はとられちゃうものね」

「ふぅん」

「…………余裕こいてていいのかしらね」


その視線は、とても挑戦的で。

俺を試しているようだった。

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