溺れて、染まった1日に
他愛のない会話をぼちぼちと繰り返してるうちに、お互いの家に着いた。
「……入れよ」
家の前で足を止めた私に、優真がそう呟いた。
「…、うん」
「………おじさん。まだ慣れないのか?」
「…良い人、なんだけどね。まだ、慣れないだけなの」
「……そっ、か」
私の新しいお父さん。に、なりそうな人。
明るくて、優しくて、何より私のお母さんを愛している。
最近同居し始めて、家では私もそれなりに気を使っている。
「あがってけ、行くぞ」
私の手より何倍も大きな手で、優真は私の手を包み込んだ。
いや、心ごと。
「……ごめんなさい、優真」
「…うっせ。ありがとうって言え。ほら、入るぞ」
「、うん」
手を引かれ、靴を整頓する暇もなく優真の部屋に入る。
相変わらず綺麗に整頓されていて、色はモノクロで揃えられている。
私はいつも通りベットに座って、部屋を物色し始めた。
「お前が期待してるようなもん、なーんもねぇよ?」
「へへっ、期待なんかしてないよ。あーっ、やっぱり落ち着く〜」
「パンツ見えっぞ。てかスカート短くし過ぎたわ変態」
「短くなんてないよ?ほら」
立ち上がってくるんと回ってみせる。
私の学校の制服は、冬は紺色、夏は水色のおしゃれな形のセーラー服だ。
中学ではブレザーだったから、密かにセーラー服に憧れていた。