流れ星にオネガイ。【短編】
流星群が消えると辺りは一瞬にして暗闇へと引き戻される。
「流れ星に何か願いごとした?
……手合わせてたけど」
蓮がにやっと笑う。
だから私も意地悪く笑ってみせた。
「え?ひ、み、つ〜♩」
「何だよ、ケチ。教えろよ」
「どーしよっかな〜」
「教えて」
はっと蓮の方に顔を向けると蓮の顔はすぐ側にあった。
近い。
二人の距離はもう測るまでもない。
…………今だ。
私はぐっと手汗で滲む拳を握った。