夫婦ですが何か?Ⅱ
安心する。
彼の肌の熱に。
見下ろしてくる眼差しに。
囚われている感覚に。
下手な言葉を重ねれば傷つける事しか吐けない私だから。
選んでいる選択が誤っているかもしれない。
迷走している今本来お互いに押し隠している事を打ち明ける事が一番の早道かもしれないのに。
でも・・・彼もそれを避けているのだからおあいこだ。
だったら流れのまま・・・遠回りの道でもお互いが思う成行きの道を進むのが得策だと思いたい。
でもせめて・・・。
「・・・・・・っ・・千麻ちゃんが・・・好き・・・・」
こんな時の言葉は一番信用度低い物だと世間では言われているというのに。
でも、
「・・・・・・好き・・です」
信じて同じように返したいと思うのもこの時だからなんでしょうね。
熱に浮かされ隠せるものもない無防備な時だから。
彼の腕の中でだけは【従順】になると約束しましたしね。
約束は・・・守る女ですから。
【大嫌い】の打消し。
【好き】だと告げて、酷く優しいのに濃密な彼の抱き方に溺れた。
短い・・・たった一晩しかなされなかった別居の終幕。
私も・・・大概甘くなったものですね。
良くも悪くも・・・・夫婦として順応したと思いたい。
一寸先は・・・・。