夫婦ですが何か?Ⅱ




この2人に繋がりがあった事自体がすでに驚きなのに。


元夫婦。


それも二度の離婚後のたった今再再婚が決まった模様・・・。


あれ?離婚とか再婚とかそんな気楽にしちゃうものだったっけ?


カルチャーショックと言えばいいのか、自分の価値観にはない再婚夫婦の姿に呆然としてしまって。


未だ彼女の腕の中で泣く我が子の存在すら忘れかけるほど。


それでも先にまともな感覚で翠姫をあやしながら階段を登り始めた彼女。


上り切ってゆっくり私に近づくと泣いている翠姫を私の腕に戻してくる。



「なかなかいい経験させてもらった・・・・。ママになるのは大変ね、」


「あ、ありがとう・・・ございます。ご迷惑おかけしました・・・」



無表情でそれを言われたから一瞬何かの嫌味かと怯んでしまうも、彼女としては特別な意味はなかったらしい。


私の腕に戻されようやく泣き止んだ翠姫の顔を覗き込むように身をかがめると、翠姫の頬を軽く突きクスリと笑い、声をかける。



「ほーんと、・・・パパによく似たグリーンアイですねぇ・・・」



言ってすぐに彼にチラリと移った視線。


それに苦笑いを返した彼に、スッと身を起こすと彼の前に移動し胸をトンと人差し指で突いて睨み上げる。



「茜君・・・・逃げようなんて思わないでよ?」


「に、逃げる気はないよ・・・」


「いい?今度は完成するまで出さないから・・・・」


「や、休み・・・空けておきまーす・・・」



内容は理解できないけれど、多分昨日の事に関係あるのだろうと怪訝な表情で2人を見ていれば。


不意にこちらを見た彼女が少し何かを考え込んでからゆっくりと言葉を向けてくる。



「昨日は・・・黙って旦那様お借りして・・・・更に誤解招くような事態、大変ご迷惑おかけしました」


「・・・いえ、」


「ご主人には指一本触れておりまーーー、あ、でも玄関で跨ってたか・・・」



何もなかった事を示すためにその言葉を使ったらしい彼女が、すぐに昨日のあの出来事を思いだして言葉の修正。


その姿にまったく後ろめたさもなく、サラッとした態度での発言だったせいか何となく可笑しくなって力なく噴き出し下を向いた。


ダメだ・・・この人・・・結構好き。


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