夫婦ですが何か?Ⅱ
「フッ・・・マンション戦隊」
「・・・・あっ・・」
「フフッ・・・あなたと榊と新崎の男3人、私と彼女・・・。
どうです?これも一つのヒーローの形ですよね?」
クスクスと笑いながらそれを告げれば最初唖然とした彼も、その5人でポーズを取っている姿でも想像したのか、噴き出し笑いだして傷痕を押さえる羽目になる。
「フッ・・ハハッ・・痛っ・・ハハッ・・・マンション戦隊!?アハハ、千麻ちゃん笑わさないでぇ・・痛いっ」
「フフフッ・・・だって・・人数がぴったりあった物ですから。・・・・新崎は胡散臭い紫、榊は腹の読めない黒」
「アハハハッ、全体的にダーク!?もはや敵カラー!?」
「莉羽さんは全く無興味のホワイト」
「もはや何の集まり!?宗教!?アハハハ、」
「勿論私がレッド、」
「えっ、ちょっと待って、そこは俺でしょ、」
「あなたは一番存在感薄いグリーンかと、ほら、すでにそのグリーンアイでキャラづくりばっちりですし」
「別にキャラづける為にグリーンアイに産まれたんじゃないけどぉ!?」
なんてくだらない会話なのか。
いつの間にか深刻な話からありもしない戦隊物の話で盛り上がって笑って。
脱線して軌道修正は至難の業。
ああ。いつも通り。
これが・・・私達。
これでいいのですよ。
ダーリン?
自分のカラーに不満らしい彼が主役を取られた子供みたいに不貞腐れて、その姿を横から見つめて小さく笑う。
男の子は・・・本当に自分が主役のレッドが好きなんですね。
でも私は・・・
「グリーンは・・・お嫌いですか?」
「嫌いじゃない。でも・・・レッドの方がカッコイイじゃん」
「架空の話なのに?」
「架空なら尚の事主役してもいいんじゃない?」
「では・・・レッドの座はあなたに、」
「・・・・ありがと、」
「いいえ、・・・・私は・・・・
常にカッコイイヒーローより、時々そのスポットライト浴びる・・・ちょっと頼りないグリーンの方が数倍カッコイイと感じてるおかしな女ですから」
言い切ってクスリと意地悪く微笑めば、予想通りにもどかしそうで悔しそうな彼の複雑な悶絶。
本当・・・あなたのそういう表情がたまらなく好き。
「良かったわね。・・・レッド?」
「グリーンでいい!!千麻ちゃんの意地悪っ!!」
「ああ、それもいいですね。悪の美人総統・・・」
「・・・・・衣装はド〇ンジョ様張りにお色気で」
「・・・・・それをこの乏しいバスト私に言うのは嫌味ですか?無茶ブリですか?しかも誰得なんだか・・・・」
「俺得です」
自信満々に恍惚とした期待満ちた目で言い切る彼の額を真正面から叩くとおふざけの終了を示す。