夫婦ですが何か?Ⅱ
戦争の一時休戦。
でもいつ再開するか、もうしないのかも不明の。
少なくとも今は再開することはないと思われる。
ああ、でも一つだけ突っ込んでおきましょうか。
「ダーリン・・・」
「ん~?」
呼びかければ彼もどこか全てを解決させたかのように身を軽くしての返事。
その指先で私の髪を遊んで、夫婦の他愛ない時間を楽しんでいるような。
そんな瞬間狙って意地の悪い事をしようとしている私はやはり性格が悪いのだろうか。
「莉羽さんの部屋から半裸で登場した件」
「・・・・・」
「・・・・私も今度その場に居合わせてもいいでしょーー」
「絶対嫌だ」
言葉を言いきるより早い拒絶の反応。
笑ってしまったのは酷く焦っての百面相に。
泣き笑い?そんな表情で私を見つめる彼の必死さに、凡そどんなモデルをしていたか予想がつく。
「もしかして・・・裸夫画ですか?」
「・・・・そうじゃない。・・・とは否めない・・・」
「ベルト・・・緩んでましたからね」
「違うっ!!違うんだよ・・・その・・こう別に大っぴらに真正面からとかじゃなくて!!その・・・ギリギリ見えない感じ!?そんな風なポーズの絵で・・」
「・・・焦りすぎです。そして顔、面白いくらいに赤いです」
「・・っ・・・だって・・・」
「・・・よそ様の奥様の前で全裸・・・ねぇ、」
「っ・・ナウ離婚中で奥様じゃないし!!あっ、てか・・・エッチしちゃった時も莉羽ちゃん法律上は奥様じゃなかったからね!!」
「ああ・・・それも気になってたんです」
彼の言葉に微々たる疑問の再浮上。
自分たちの問題が解決してしまえばあの愉快な夫婦の関係性に興味が走って仕方ない。
どうやら先ほど再再婚が決まったらしきこのフロアの住人達。
「私の常識では離婚再婚とは少なくとも軽い感覚で成すものではなかったのですが・・・・」
自分のその感覚が過ちであったのか多少の疑問を乗せて彼に向ければ、『あ~、』と乾いた声を響かせ微妙な苦笑いで視線を泳がせる。
そうして多分意味もなく頭を掻きながら疑問への返答。