夫婦ですが何か?Ⅱ
泣いてる姿を見て一瞬で浮上した疑惑は、元彼との久々の再会によるものかと思った自分。
それを見事言い当てた彼女が近くにあったティッシュで涙を拭いながら鼻をすすって。
「・・・信じている筈では?」
「いや、・・・勿論信じてますよ?」
「じゃあ、いちいち私の涙に変な疑いかけて焦らないでください」
「すみません。微々たるヤキモチです」
「・・・・・まぁ、あなたにしては控えめなヤキモチなので良しとしましょうか」
半目で俺を振り返っていた彼女が息を吐きながらそれ以上の追及はしないと示して。
そのまま後ろに体重移動しソファーにその身を寄りかからせた。
自分の足の横に彼女が座っているようなそんな状況。
「・・・・・なんか・・・気疲れした休日でしたね」
「まさかの隣人事情だったしね」
「上手くやれそうですか?」
「うん、だって俺拓篤さん好きだし」
「・・・・・そっちに目覚めました?」
「っ・・・もうそのネタお腹いっぱい」
「はっ?」
暗にBL的な意味で問われた質問に言い返すのも飽きたと苦笑いで返答すれば、まったく意味の分からない彼女が怪訝な表情で俺を振り返る。
まぁ、あの場に千麻ちゃんいなかったしね。
「ねぇ、・・・俺ってそっち系に見える男?」
不意に孝太郎や拓篤さんに指摘された自分の容姿を指さし彼女にも再確認。
どんな確認だよ?と言いたげな表情で見つめていた彼女がそれでも問われた事に返答すべく俺の容姿を確認して。
「まぁ・・・、あなたくらい綺麗な顔立ちでしたら絡んでいても不快ではないかと・・・」
「なんか複雑~。綺麗って褒め言葉だけどかかる内容がアブノーマル」
「まぁ、・・・大道寺の血筋はイケメンと言えど男らしいカッコ良さではなく妖艶な綺麗さですからね。何ていうか・・・・色気?無駄にフェロモン飛ばしてそうな・・・。漫画だったらバックに薔薇背負ってそうな・・・・」
「うん・・・なんか分かりやすい例えありがとう」
これまた面白い説明をかましてきた彼女に困ったような笑みで噴き出し失笑。
それでも的確な説明だと言葉を返せば、コロンと体をこちらに返してソファーに腕を組みおいてその上に顎を乗せる愛らしき姿。
そんな上目遣いにキュンとしながら見下ろして、無意識に伸ばしていた指先を彼女の頬に触れさせる。