夫婦ですが何か?Ⅱ
見下ろし捉えた彼女と言えば耳まで熱を持った赤面で、精一杯の強がりの表示で眉根を寄せているのにその眉尻は下がっているという表情。
そしてすぐに隠すように口元に添えられた手と外された視線。
一瞬その意図を探って、でもすぐに察しがついた彼女の内心を語れば・・・・。
「もしかして・・・・拓篤さんが隣にいるのにエッチするのが気まずい・・・・・とか?」
「・・・・・・・」
「無言は肯定って取られちゃうよ?」
「・・・・・・・」
「はい、肯定~。じゃあ、続きいこうか」
「っ・・何でぇ!?ちょっ・・・本当にっ・・・」
「大丈夫大丈夫、やっすいぼろアパートじゃあるまいし今時ヤってる声なんて隣に響かないから」
「ろ、露骨・・・、やっ・・き、気持ちの問題・・・」
「そんな事言って・・・・拓篤さんが隣にいる限りずっとプラトニックなセックスレス?・・・・・・うわっ、無理無理」
「っ・・茜~!!」
喋りながらも攻めの姿勢はしっかり継続。
彼女の体に指先と唇を這わしながら自分の欲に突き進んで。
今度は不意打ちの抵抗に揺るがぬようにしっかり彼女を組み敷いての愛撫。
なんか・・・・この感覚久しぶり。
ヤバいな・・・ちょっと・・・・・・燃える。
羞恥心が心を閉めている彼女はいつに無く過敏らしく、いつもならさらりと流すような愛撫でも熱っぽい吐息が漏れる。
その感じにこっちの欲も煽られて。
・・・・虐めたくなるな。
多分思わず口の端が上がった。
同時にもう煩わしいと自分と彼女の服を緩めていって躊躇いなく熱と肌の共有。
「っ・・・」
深くきつく重なりを持って、動くことなく彼女を至近距離から覗き込んで優越。
「・・・・・かーわいい。元彼の存在に無意味に恥ずかしがって・・・でも感じちゃって、」
「性格悪い・・・・」
「滅多にないチャンスだし?滅多にない千麻ちゃんに仕舞い込んでたSっ気が暴走しちゃってるかも」
「・・・・・・・社長に似てますね」
「・・・・・ねぇ!?なんかそれはすっごく深く裏読みしちゃうんだけど!?どういう事!?薄々疑惑は抱いてたけどまさか・・・・父さんともヤったぁ!?」
「不道徳で不埒な妄想するな!!いくら私でも他所の奥様泣かせる不毛な不倫の道を辿った記憶はありません!!」
沸点越えしていた欲出さえ一瞬でマイナスに落ち込みそうな彼女の一言に相当焦った。