夫婦ですが何か?Ⅱ
プライドの維持。
彼の妻であり、愛されている事に今の私は自分を見いだして。
それに全てを捧げている。
彼の傍が、腕の中が私の居場所で存在理由。
だから・・・安堵する。
私も随分・・・馬鹿な女に成り下がったものだと思う。
過去に馬鹿にした彼を取り巻く女性達のように。
でも、そんな自分でさえ誇り愛おしいと思う自分がいる。
そしてそんな私を心底愛してくれるのが彼だ・・・。
「・・・・・千麻ちゃん・・・」
「はい・・・」
「あげられるものなら・・・全部あげる、」
「・・・」
「全部全部・・・俺の全ての所有権を千麻ちゃんに」
「・・・・」
「と、いうか・・・・もう全部あげてたつもりだったんだけど」
「っ・・・・」
不意に呼びかけられ、静かに弾かれ始めた彼の言葉。
それを拾い上げていけば私が零した独占欲への返答だと理解する。
まさかあの言葉に返答までは求めていなかったから、どこか焦ってその顔を覗き込み。
すぐに、返答は不要だと口を開きかけ、その口は音を発することなく彼の指先で制された。
『分かってる』『聞いて』
そんな意味合いだろう。
その仕草で、表情で、彼も理解しての返答なのだと納得すると、ただ柔らかく私を見つめるグリーンアイを見つめ返した。
「もし・・・さ、・・・誰にも見せたくないくらい、隠しておきたいくらい独占欲疼くなら・・・・・」
「・・・・」
「・・・・フッ・・・・閉じ込めて、監禁して。・・・・狂愛チチックに愛でてくれてもいいよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・馬鹿、」
そこまでSな女じゃないわ。
最終的に冗談交えた苦笑いでその言葉を告げた彼に脱力と失笑。
勿論言わんとしている本心は分かっている。
その位・・・自分は私の物だと言いたいんでしょ?
だから、不安になるな。って・・・・、
いや、彼の事だからそれに上乗せで
『不安にさせてごめん』って・・・
「不安にさせてごめんね?」
ああ、
ほらね・・・、
だから、あなたが好きよ・・・ダーリン。