夫婦ですが何か?Ⅱ
痴漢まで言われたら、もう本気で覚悟しようと諦めて。
部屋に帰ったら一番で通帳残高を確認しようと思った。
だとしたら・・・また引っ越しかぁ。
そんな事を考えていて一瞬その発言に気がつくのが遅れていたけれど。
「・・・・・あれ?」
「・・・」
「・・・・・・もしかして、」
「うん、」
「さっき・・・・正解は・・・【引き起こす】だったんですか?」
「うん、・・・・・でも期待しても、100年待ってもその選択しがなさそうだったから諦めたの」
「す・・・すみません・・・」
「・・・・一生根に持つ」
「ええっ!?」
「近々仕返ししてやるから」
「っ・・・・・」
ダメだ・・・。
俺の人生終わった。
瞬時に借金地獄な自分の悲しい姿が脳裏を締めて、泣く気力すらなく空笑い。
そんな僕をクスリと笑った彼女が颯爽と歩き始めて、自分もよろけながらも帰路についた。
やっぱり、
やっぱり・・・、
リアル女子は恐い。
そんな教訓の夜の記憶。
千麻と茜君のそれも愛情なら、
僕と紅さんのそれも愛情の迷走なんだろう。
僕や紅さんのは一方通行になっているけどさ。
千麻と茜君はまだ繋がっているよ。
早く、お互いに辿りつく様に、
もっと、焦って足掻いて迷路を抜けてよ。
そう、願う。