夫婦ですが何か?Ⅱ
ああ、曲がりなりにも・・・・。
「・・・千麻ちゃん?」
「すみません。・・・自分の言い分ばかり一方的に告げて、あまつさえ笑いだして・・・・」
「ん~・・・なんか良く分からないけれど・・・」
言葉の通りに多少の困惑交じりを響かせた彼が、それでもニッと口の端を上げると私の腰に両手を巻きつけ柔らかく引き寄せる。
静かに音もなく触れ合った額と絡んだ視線。
「・・・・・合格点じゃない」
「・・・何がですか?」
「さっきの千麻ちゃんの不安に対しての評価・・・・」
評価・・・・、ああ・・あれですか?
言われて回想した自分の発言を拾い上げ、思考中外していた視線をそっとグリーンにもどして口の端を上げる。
「さて・・・喜ぶべきところでしょうか?」
「素直に喜んでよ。千麻ちゃんが俺に絶対的敬愛抱いてくれてるなら最高の評価じゃないの?」
「・・・・絶対的かは宣言しませんが、・・・ただ、私物である物を貶された不満が募っていただけかも」
「まぁ、貶されて不満に思うほどは愛情あるって事だよね?」
「・・・・・そうしておいた方が夫婦仲安定するのなら、」
「でも・・・今は何で笑ってたの?」
「ああ・・・」
そこは疑問だったのか。
彼の方眉下がった疑問顔にクスリと笑うと自分の格好を示すように両手を広げて、彼の格好を示すように視線を走らせた。
そうしてゆっくり彼のグリーンに視線を戻して。
「夫婦漫才ふさわしく浮れた姿で平和だなぁ・・・と、」
「フハッ・・・確かに、・・・でも可愛いねコレ」
「可愛いですが・・・、自分の娘だけじゃ飽き足らず娘婿にも浮れたルームウェア送る神経が我が母ながら恐ろしいと・・・」
「確かに・・・千麻ちゃんとは違うよね。でもお義母さんのノリ俺好きだよ?」
「・・・・父には変に逃げ腰でしたよね」
「・・・だって・・・まさに男版千麻ちゃん?・・・無表情で思考読めないし・・・嫌われてるのかなってくらい口数少ないし」
「あれは素です。何も考えてませんよあの人。そして変なところでツボります」
「まさに千麻ちゃんじゃん」
ああ、また話が脱線していっている。
そう気がついてはいたけれど抱いていた憤りもほぼ解消していた時間。
むしろ穏やかなこの時間に乗っている方が今は心地いいと判断し修正は自らはせず。