まちこのerotica
45歳 高波営業所長のsecret



朝4時35分。

ピーピーピー!


けたたましく携帯のアラームが鳴り、自宅の布団の中で俺は目を覚ました。


ーーああ…もう朝かよ?……


もうすっかり秋だ。
こないだまでクーラーが欠かせなかったのに、今は少し肌寒い。

着古した黒いTシャツに霜降りグレーのスェットズボン。
カーテンの隙間から見える窓の外はまだ夜だ。


ーーまた、今日が始まる…


いつもは、ため息をついてから出掛ける準備に取り掛かるのだが、今日は違う。


テーブルの上の6枚切りの食パンを1枚取り出し、ブルーベリーのジャムを塗る。牛乳をコップに次ぐ。

それが俺の朝食。


シャワーを浴び、電気シェーバーで、ひげを剃る。

お気に入りの細かな青いストライプのYシャツとそれに良く合う同系色のネクタイを締める。


25年以上前、昔の俺はアイビー青年だった。
でも、今は営業を生業とする身。

清潔感第一を心掛けている。
(次には、真面目で誠実な印象を与えること!)


朝食からずっと立ったまま、すべての動作を静かに速やかに行う。

寝ている家族を起こさないようにする為に。

それぞれの生活のリズムを壊さないようにする。それがこの家のルールだ。





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