まちこのerotica
枯れない Sexy you Forever
ヤマダに最後に連れていかれたのは、一番始めに案内された食堂だった。
食堂と言っても、かなりの広さがあり、南国のホテルのティーラウンジのような雰囲気だ。
午後2時。
中途半端な時間帯のせいか誰もおらず、ひっそりとしている。
営業時間の午前7時から午後8時なら、レストランのように、メニューから好きなものを選んでオーダーすることが出来るらしい。
「一番人気はなんだと思います?意外にもトンカツ定食なんです。
お元気なんですよ、皆さん。歯もお丈夫な方が多いんです。
今や日本人の平均寿命は98,2歳ですから。
もちろん、身体に負担がかからないように、お肉や揚げ油は上質なものを使ってます。
食欲がある分、色気のある方も多くて、ここでは入居者同士の三角関係とか、恋愛の揉め事はよくあります。
恋愛カウンセラーを置いたらいいんじゃないかという意見も出てるくらいです」
汗っかきらしいヤマダは、ズボンのポケットから取り出したハンカチで顔面を拭いながら、意味ありげにふふ、と笑った。
「今は、喫茶タイムなんで軽食とドリンクしか頼めないんですけど。長谷部さん、何飲みますか?
コーヒーか紅茶か日本茶、オレンジジュース。
お腹空いてないですか?
サンドウィッチとかいかがですか?
あ、お茶は施設長から、サンドウィッチは僕がご馳走します」