まちこのerotica
妻と愛人のbetween
俺は三日間、有給休暇を取った。
妻には内緒で。
家族にリストラを告げられないサラリーマンのように、俺は朝、いつもの手順で支度を済ませ、マウンテンバイクで出掛ける。
二日前、タイヤをパンクさせられた場所に修理したばかりのマウンテンバイクを置く。
違法駐輪。
それはこちらが100パーセント悪い。
そんなことわかってる。
だからといって、凶器で人の所有物を傷付けることが許されるわけがない。
愉快犯なのだろうが、これは犯罪だ。
どうしても、犯人を突き止めたくて、張り込むことを決めた。
怪しまれないように、普段と同じく、グレーのスラックスに白いワイシャツ。
地味な紺のネクタイをして。
これに黒いビジネスバッグを持つ。
客と駅で待ち合わせをする営業マンに見えるはずだ。
マウンテンバイクが見えるバスロータリーのベンチに陣取り、張り込みを開始した。
真千子には、前の晩に休む理由をメールで説明していた。
[ひどいね!そんな奴、絶対懲らしめなきゃ。私も一緒に張り込みしようか?]
そんな返信をくれたけれど、君に迷惑掛けられない、ともちろん断った。