まちこのerotica
高波さんは一読して、くくっと笑った。
「これイイね。ぜひ、真千子の口から読んで聞かせてよ」
それは、いつものより少しきわどいものだった。
私は口ではやだあ、と言ったけど、ニヤニヤしてしまった。
そして、「はい、じゃ、貸して!」と手紙を奪い取り、彼のリクエストにお応えして、それを朗読してあげた。クスクス笑いながら。
「えーと…ディア 高波さん。
今日は記念日です。
なんのかって?
高波さんは絶対わからないと思うけど…
エッチするの100回目記念です!
半年でこの数字って、多いかな?
逢うたびにやってるから、こんな数字になっちゃった。
とにかく私達、抜群にアレの相性がいいってことですよね?
高波さんに出逢えて感謝!
おかげで何度でもイケる身体になりました。
これからも私を調教してね?
吉本真千子より!」
私の言葉にバージニアスリムを吸いながら、高波さんもニヤニヤ笑っていた。
なんだよ、お前、そんなコト数えてたのかよ〜、とか言いながら。
……その後、私はしくじってしまった。
すぐに手紙を仕舞わなかった為に、床に落としてしまったことに気付かなかった。