まちこのerotica
22才上の俺のいうことはなんでも信じてしまう素直さ。
俺の言ったことを、自分の意見にしてしまう従順さ。
ベッドの上でも、俺のいいなり。
少しは断れよ、とこちらが苦笑してしまうくらい。
悪く言ってしまえば、真千子は
少し足りなかった。
それが魅力の女だった。
火曜の夜から水曜日の夜までは、吉本真千子と過ごす刻だ。
火曜日、真千子は仕事が終わると、海辺の営業所を訪れ、あの隠し部屋は俺たちの愛の巣になるのだ。
鼻くそ部下達は、残業なんて考えもしない人種だから、時間になるとさっさと帰ってしまい、真千子がチャイムを鳴らす頃には、もう誰の目も気にすることはない。
俺達が勤務する不動産管理会社は水曜日が定休だ。
その週に1回しかない休みの日、家に帰らない理由を俺は仕事のせいにした。
『営業所周辺の売り家や不動産を1軒1軒この目で確かめて、情報を集めるんだ。地元密着型の仕事に力を入れる。
よそから来た俺が、ぽんと所長の椅子に収まったから所内には反感を持つ輩もいる。
上に立つ人間は人一倍の努力が必要なんだ……』
こんな口実を妻は『そうなの』と頷き、あっさりと認めてくれた。