まちこのerotica
いつの間にか、1枚の小さな紙片は風もないのに、ひらひらと舞ってベッドの下に入り込んでしまった。
普段は厳重に管理していたのに。
それは高波さんにも責任がある。
手紙に興奮した彼が、
ーー真千子、101回目しよう!
そう言って、私をいきなり抱き寄せたから。
そして、数日後。
事務所の清掃をしていた長谷部が手紙を発見したというわけ。
「…私が誰と付き合おうが、長谷部さんには関係ないじゃないですか」
私は極力そっけなく返事をし、会話を終わらせようとする。
「お前なあ!開き直るなよ。不倫なんて行き着く先地獄だって!」
「そんなにドロドロしてません。私、高波さんの家族には迷惑かけるつもりないですから」
「よ、吉本よお…」
ああしつこい。
なんでこんなにしつこいんだろう。
高波さんに6時に資料保管室に来るように言われているのに。
トイレに行って準備をしなくちゃ。
うまくコイツ(長谷部)を捲かないと、尾行されそう…