まちこのerotica
1番嫌なところは『粘着質』なところだという。
部下がミスをすると1ヶ月くらいはそれをネタにぐちぐちとやるんだそうだ。
私は、知られざる高波さんの一面を見たようでとても驚いたけれど、すごく興味くてて、いつの間にかうんうん、それで?と身を乗り出していた。
ハセは結構突っ込み上手で、私はボケ役というノリでの会話は和やかに弾み、昔流行ったお菓子の話で盛り上がったりして、気付けば夜中の12時を過ぎていた。
『ところでさ、つい読んじまったけど…あの手紙に書いてあったことって…本当?』
ふと、ハセが改まり、こちらの気配を伺うように尋ねてきた。
「ええ?なんのこと?」
私は、ほっぺと肩の間にスマホを挟み、セミロングの髪を一筋、クルクルと人差し指に絡ませる。
『高波ともう100回もやってんの?』
意表を突いた質問に、なぜか私は赤面してしまった。
「え!え…ああ。うん。まあ…」
『じゃ、ベテランだな…』
そう呟いたあと、しばらくハセは黙り込んだ。
眠くなってしまったのかと思った私が
「じゃ、そろそろ切るね」
と、いうと、
『待てよ!』
ハセは叫んだ。