まちこのerotica

でも嫌いじゃないし、すぐ慣れた。
この段階で、身体の相性は悪くない、と私は確信する。

そして、コンビニでビールと焼肉弁当を買って近くのラブホにしけこんだのだった。

そのホテルには、前彼(コレも不倫)と来たことがあったけれど、もちろん黙っていた。


ハセのキスは、やたらぶちゅぶちゅするわ、鼻息が半端なく荒いわでちょっと気持ち悪かった。

でも、キスする前に「歯磨きしてもいい?」と照れながら言ったのが可愛かったので、許そう、と思う。
そして、私はハセの上になって、彼と一体化した。
身体の相性は、私の直感通りだった。


ハーー、イイーー……

笑っちゃうくらい、素直にそう思えた。

問題だったのは、ハセの喘ぎ声の音量。
私よりずっとデカイ。


でも、それも許す。

ハセは私を抱きしめて、真千子はミロのビィーナスみたいだと何度も言ってくれたから。
それは私の23年の人生の中で、最上の褒め言葉だった。




それから私の休日は、二人の男の間を行ったりきたりする生活になった。

水曜日の定休は、プレハブ小屋の秘密の部屋で高波さん。
ばらばらのシフト休の日は、ハセとラブホ。

忙しくて仕方ないけれど、ふわふわした浮遊感はたまらなかった。
これが『モテ期』というやつかもしれない、と思ったり。


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