まちこのerotica
それは、高波さんが薄々私が隠している男の存在に気付いたから。
『いつか、真千子が運命の男と出逢った時は、俺は大人しく身を引くよ』
なんていつも言ってるくせに、嫉妬している。
だからだと思う。
「真千子、軽井沢にいかないか?
いいコテージがあるんだ。こんな窮屈なところじゃなくて、たまにはいい環境で、思う存分しよう」
情事の後、私の髪を撫でながら誘ってくれたのは、私の気を引くため。
「えっ?本当⁈」
私は叫んでしまった。
思いがけない誘いがとても嬉しかった。私は日陰の女だから、一緒に旅行にするなんて、夢にも思っていなかった。
「アウトレットもあるから。
ショッピングも楽しめるぞ」
高波さんは上機嫌でいう。
それは何か私に買ってくれる、ということなのかな?
そんな図々しい質問出来ないけれど、
「うわあ、やった!コーチとかあったら、見てもいい?」
と遠回しにおねだりしたら、
「あ、ああ、いいよ」
高波さんは、右頬を引きつらせて笑った。
「ところでさ、真千子」
ベッドの上で私のヴァージニア・スリムを燻らせながら、高波さんは言った。
「何?」
彼の横で私も一本口に咥えた。全裸だけど、恥じらいもなく胡座をかいてる。